2015年6月30日

論文紹介:細胞遺伝学的完全寛解に1年以内に達したCML患者の5年生存率は、一般人口と変わらない

別件で論文を調べていたら2015年4月に発表された比較的最新の面白い論文に出会いました。
Relative survival in patients with chronic-phase chronic myeloid leukaemia in the tyrosine-kinase inhibitor era: analysis of patient data from six prospective clinical trials

ポイントは2点:
  1. CML慢性期患者の5年生存率は、一般人口と比べて約5%ほど悪い(For the whole population of patients with CML-CP, 5-year survival was only slightly lower than that of the matched general population (relative survival 94·7% [95% 92·1–97·4]).)
  2. 治療により1年以内に細胞遺伝学的完全寛解(CCyR=骨髄中のフィラデルフィア染色体陽性細胞の割合が0%(20個中0個)の場合)に至った患者は、5年生存率は一般人口と変わらない(差がないという仮説を棄却できない)(Individuals of all ages with a report of complete cytogenetic response to treatment or deeper within 1 year had a 5-year survival similar to that of the general population.)
過去の記事見ても、自分がいつCCyRになっていたのか記録していないことがわかりましたが(確か3か月後あたりで達成していたと思うのだが)、1年でその先のMMR(分子遺伝学的効果)に至っているので、まあどう考えても2の条件を満たしていますね。

妻に話したら、「あなたが死ぬ心配はもうしていない」と言われました。CMLは本当に死なない病気になったんですね。願わくばこのまま変異もグリベック耐性も出ず、とっととドラッグオフできますように。祈