ドラッカ博士にだけはご挨拶できませんでしたが、残りの二人の、ラウリー博士とライドン博士には感謝の言葉を伝えられてよかったです。受け付け経由でお渡しした花束が無事手元に届いているとよいのですが。。。
http://mainichi.jp/opinion/news/20120517k0000m070115000c.html
ひと:ブライアン・ドラッカーさん 「日本国際賞」受賞
毎日新聞 2012年05月17日 00時21分
発症から3〜5年で死亡するといわれた慢性骨髄性白血病。治療薬「グリベック」開発で患者の9割が10年後も生存可能になった。異常な分子の働きだけを抑え、副作用の少ない「分子標的薬」という新タイプの薬。世界が注目し、これを機に他のがんでも分子標的薬の開発が相次ぐ。
好奇心旺盛で、大学では多分野の講義をはしごした。関心を持ったのが白血病だ。普及し始めていた化学療法は正常な細胞まで傷つけ、副作用を伴う。「がん細胞だけを狙い撃ちできないか」と考えた。
「寝る、食べる、働くだけの生活」。猛烈に研究した。93年、グリベックのもととなる分子を発見した。課題は製品化だった。世界での発症率は年間10万人あたり1.3人。製薬企業は「採算が取れない」と難色を示した。それでも、「分子標的薬には将来性がある」と説得を続け、ノバルティスファーマ社が理解を示した。01年に米国、日本で承認された。
ただ、日本で1錠2749円(標準1日4錠)するなど高額で、「分子標的という手法で開発効率を向上させ、薬価の抑制に貢献したい」と話す。
科学技術の進歩に貢献した人に贈られる「日本国際賞」の授賞式のため来日し、先月末に東京都内で講演した。数人の患者が歩み寄り「あなたのおかげです」と元気な姿をみせた。ノーベル賞に最も近い男といわれるが、「どんな賞より、こんな出会いが一番うれしい」。【田中泰義】
【略歴】Brian Druker。米ミネソタ州生まれ。カリフォルニア大卒。ハーバード大研究員などを経て、07年からオレゴン健康科学大教授。57歳。