CML患者の年間実負担額の所得別試算

注:2015年1月1日からの収入区分変更は未反映です。

高額療養費制度に基づく、70歳未満の区分で所得別に分けた場合の、グリベック(一般名イマチニブ)の開始後一年間の実負担額(注意:高額医療費還付前の一時払いを除く)についてのシミュレーション結果です。薬価は一錠2749円で、毎日4錠(400mg)飲むという前提で計算しています。


月単位で天井が決まっているのが現行制度なので、当座の数十万円以上の資金の手当てさえ付けば、当たり前ですが購入ロットを大きくして当該月の薬代を高くしたほうが、天井を突き抜ける額が増えて最終的な負担額は小さくなります。

例えば、私は一般所得者区分なので、三ヶ月分の払いにすれば、下位所得者が毎月払う場合より2.1万円少ない負担額の30.7万円になり、毎月払う場合と比べると33.5万円得をします。入院を前提にしているのか、変な制度ですね。

この分析だけ見ていると、半年分を出してもらえればありがたいように思えますが、半年間隔で支払っていると、直近1年以内の高額適用3ヶ月以上で4回目から上限が更に減るという条件(いわゆる多数該当、詳細はコチラ)を満たさなくなってしまいます。

以下に詳細は書いておりますが、一般所得者なら3ヶ月払いで多数該当を満たした方がお得、低所得者ならば半年払いの方がお得、上位所得者はどちらでも変わらない、というまとめになります。

一般所得者:
多数該当の負担額では年間実負担額が4.44万円×4(3ヶ月ごとの支払い)で17.8万円となり、上グラフの半年払いよりも1.7万円ほど安くなりますので、3ヶ月払いを続けた方がお得です。

低所得者:
多数該当の3ヶ月払いを続けると年間実負担額は2.46万円×4=9.84万円となるので、低所得者は(60万円近い支払いが可能ならば年額で2.7万円ほど半年分を一気にもらう方が得ということになります。

上位所得者:
多数該当の3ヶ月払いを続けても年間実負担額は8.34万円×4=33.36万円と上グラフの半年支払いと殆ど変わりません。どちらでもよいでしょう。


高額療養費制度の概要はこちらの厚生労働省のページから確認できますので、その情報を元に個人的に試算した値である点をご了承ください。

追記)
2011.12.27 所得別に半年払いと3ヶ月払い継続による多数該当のどちらがメリットがあるかをまとめました。