2012年10月23日

全がん協加盟施設の生存率共同調査(kapweb)と簡単な使い方・分析イメージ

全がん協加盟施設のがん生存率が計算できるサイトができたそうです。くわしいデータ画面から進むと、症例数・データ提供施設・非常に細かい単位での生存期間と確率・統計的優位な信頼区間など、統計好き的にはいろいろ分析したくなるデータを見ることができます。

統計的に優位な、正確な情報が出ることは大変望ましいことですが、CMLあるいは血液系の癌は、骨髄腫という大カテゴリでしかデータがないないようですね。素晴らしい取り組みだと思うので、信頼区間をグラフ上に出す、複数クエリの比較ができる、もっと細かいサブカテゴリ指定ができるようになる、などなど今後の拡張を望みます。

KapWebはこちら

以下、10/23 1:45 am時点での分析例です。

生存率について注)
がん患者さんはがん以外の病気で死亡する場合があり、高齢者ではその分生存率が低く見えます。「相対生存率」とはがん患者さんががん以外の病気で亡くなる分を実測生存率に「かさ上げ」した補正済みの生存率です。まれに過剰な補正の結果相対生存率が前年より上昇しますが、前年と同じ値であると解釈して下さい。

信頼区間について注)
少ない患者数から生存率を計算すると信頼性が落ちます。90%信頼区間とは計算した生存率は9割方この範囲の中にあるということを示しており、実用的にも問題がありません。また2つの生存率の信頼区間が重ならない場合は、90%以上の確率でその2つの生存率に差があるということを意味します。

分析例1)骨髄腫×男性
症例数 Cases:
58件
データ提供施設 Contributing hospitals:
岩手県立中央病院 茨城県立中央病院 群馬県立がんセンター 東京都立駒込病院 名古屋医療センター
滋賀県立成人病センター 大阪府立成人病センター 四国がんセンター 九州がんセンター 

生存率実測生存率相対生存率相対生存率の90%信頼区間(上限)相対生存率の90%信頼区間(下限)
1年生存率0.7550.7730.8680.677
2年生存率0.650.6810.790.572
3年生存率0.4390.4720.5880.356
4年生存率0.3510.3880.5030.273
5年生存率0.3160.3590.4740.244


分析例2)骨髄腫×女性
症例数 Cases:
41件
データ提供施設 Contributing hospitals:
岩手県立中央病院 茨城県立中央病院 群馬県立がんセンター 東京都立駒込病院 名古屋医療センター
滋賀県立成人病センター 大阪府立成人病センター 四国がんセンター 九州がんセンター 


生存率実測生存率相対生存率相対生存率の90%信頼区間(上限)相対生存率の90%信頼区間(下限)
1年生存率0.780.7890.8970.682
2年生存率0.7320.7490.8660.633
3年生存率0.5850.6080.7390.476
4年生存率0.4150.4370.570.303
5年生存率0.4150.437

2012年10月4日

グリベックと飲み合わせが悪い薬

まとまっていましたのでブックマーク代わりにリンクを張っておきます。
頭痛薬・解熱剤としてアセトアミノフェン(例、セデス)は駄目だけど、ロキソニンやイブプロフェンはOKですね。

(独立行政法人)国立がん研究センター がん対策情報センター
がん情報サービス
http://ganjoho.jp/public/qa_links/qa/anticancer_agents/m013.html#q7

2012年10月2日

医療費に関する経済的および精神的負担に関する調査

医療費に関する経済的および精神的負担に関する調査、をインターネットにて、東京大学医科学研究所が行っているようです。

調査設計にはいろいろ突っ込みどころ(例、インターネットによる母集団からの歪み、妥当な負担額の聞き方、精神的負担の項目)がありましたが、それにしても、患者が声を上げられる数少ない機会なので、もしCML患者の方でここを見られてまだ解凍されていない方がいらっしゃったら、以下のリンクからご回答下さい。

二次締め切りは10/10(水)、最終締め切りは10/31(火)のようなので、それまでにどうぞ。

https://krs.bz/umin/s/index