Source: https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/jshjsch2013/201310/533022.html
2013. 10. 16
MMRに達した慢性期CMLではイマチニブ間歇投与でMMR維持が可能【血液学会2013】
MMR(分子遺伝学的大奏効)に到達した慢性期慢性骨髄性白血病(CML)に対し、イマチニブを間歇的に投与することにより、MMRが維持され、一部の患者で完全休薬に移行できたことが、日本成人白血病治療共同研究グループ(JALSG)のフェーズ1/2試験で確認された。10月11日から13日まで札幌市で開催された第75回日本血液学会学術集会で、埼玉医科大学国際医療センター造血器腫瘍科の石川真穂氏らが発表した。
イマチニブ治療において、経済的な負担や副作用、挙児希望などにより、イマチニブ投与の中止を希望するCML患者がいることから、安全に減量あるいは中止することが求められていた。
そこで、イマチニブによりMMRに達した成人慢性期CML患者を対象に、イマチニブを間歇投与で段階的に減量する試験が実施された。主要評価項目はMMR維持効果、副次評価項目は無増悪生存率、副作用の軽減、再投与に対する反応性とした。
登録基準として、イマチニブ投与後3カ月以内にCCyR(細胞遺伝学的完全奏効)に到達し、その後MMRが24カ月以上維持している慢性期CMLで、イマチニブ(400mg)が継続投与されている患者とした。
治療は、イマチニブの25 %減量(12週投与4週休薬)を2サイクル、50%減量(12週投与12週休薬)を2サイクル行った後に、効果判定して、MMRが維持された場合は3サイクル目に移行し、CMRn(骨髄定性PCR陰性)が確認された場合は100%減量とした。
試験には6人が登録された。計画では25人の登録が予定されていたが、投与後3カ月でCCyRの確認をしていない、第二世代チロシンキナーゼ阻害剤を選択している、骨髄検査を頻回に行う必要があるといった理由から患者集積が進まなかったという。患者の年齢中央値は56.5歳、男性が4人で、イマチニブ投与期間は67.5カ月、登録前のMMR維持期間は51.5カ月で、全員がCMR(分子遺伝学的完全奏効)の状態だった。登録理由(複数回答)は、経済的負担が4人、副作用が3人、挙児希望が1人、drug freeが1人だった。
この結果、MMR維持効果は66.7%、CMR維持効果は50%だった。またCCyR喪失、CHR(血液学的完全奏効)喪失、AP(移行期)・BC(急性転化期)への病態移行、死亡といったイベントは発生せず、無増悪生存率は100%であった。完全休薬ができたのは2人(いずれも女性)だった。
MMR喪失が2人に認められたが、イマチニブ再投与12週でCMRに回復した。ただしMMR喪失例では25%減量(4週休薬)で骨髄定性PCR陽性化が認められたことから、「50%減量を行う際は注意が必要」とした。治療開始時に骨髄定性PCR陽性、定量PCR陰性だった1人は、間歇投与を繰り返すことで、骨髄定性PCRが陰性化した。
MMR維持例とMMR喪失例を比較した結果、MMR維持例では女性、Sokalスコアの低リスク、イマチニブ投与期間が長い(60カ月以上)傾向が見られた。
これらの結果から石川氏は、「今回の試験は少数例であり、イマチニブ間歇投与は1つの選択肢として考えている」とし、「休薬成功の可能性も現時点では予測が難しいため、注意深い分子モニタリングが必要である」とした。
イマチニブ治療において、経済的な負担や副作用、挙児希望などにより、イマチニブ投与の中止を希望するCML患者がいることから、安全に減量あるいは中止することが求められていた。
そこで、イマチニブによりMMRに達した成人慢性期CML患者を対象に、イマチニブを間歇投与で段階的に減量する試験が実施された。主要評価項目はMMR維持効果、副次評価項目は無増悪生存率、副作用の軽減、再投与に対する反応性とした。
登録基準として、イマチニブ投与後3カ月以内にCCyR(細胞遺伝学的完全奏効)に到達し、その後MMRが24カ月以上維持している慢性期CMLで、イマチニブ(400mg)が継続投与されている患者とした。
治療は、イマチニブの25 %減量(12週投与4週休薬)を2サイクル、50%減量(12週投与12週休薬)を2サイクル行った後に、効果判定して、MMRが維持された場合は3サイクル目に移行し、CMRn(骨髄定性PCR陰性)が確認された場合は100%減量とした。
試験には6人が登録された。計画では25人の登録が予定されていたが、投与後3カ月でCCyRの確認をしていない、第二世代チロシンキナーゼ阻害剤を選択している、骨髄検査を頻回に行う必要があるといった理由から患者集積が進まなかったという。患者の年齢中央値は56.5歳、男性が4人で、イマチニブ投与期間は67.5カ月、登録前のMMR維持期間は51.5カ月で、全員がCMR(分子遺伝学的完全奏効)の状態だった。登録理由(複数回答)は、経済的負担が4人、副作用が3人、挙児希望が1人、drug freeが1人だった。
この結果、MMR維持効果は66.7%、CMR維持効果は50%だった。またCCyR喪失、CHR(血液学的完全奏効)喪失、AP(移行期)・BC(急性転化期)への病態移行、死亡といったイベントは発生せず、無増悪生存率は100%であった。完全休薬ができたのは2人(いずれも女性)だった。
MMR喪失が2人に認められたが、イマチニブ再投与12週でCMRに回復した。ただしMMR喪失例では25%減量(4週休薬)で骨髄定性PCR陽性化が認められたことから、「50%減量を行う際は注意が必要」とした。治療開始時に骨髄定性PCR陽性、定量PCR陰性だった1人は、間歇投与を繰り返すことで、骨髄定性PCRが陰性化した。
MMR維持例とMMR喪失例を比較した結果、MMR維持例では女性、Sokalスコアの低リスク、イマチニブ投与期間が長い(60カ月以上)傾向が見られた。
これらの結果から石川氏は、「今回の試験は少数例であり、イマチニブ間歇投与は1つの選択肢として考えている」とし、「休薬成功の可能性も現時点では予測が難しいため、注意深い分子モニタリングが必要である」とした。