つばさ支援基金の諮問会議を傍聴する機会を頂いたので行ってきました。
電話問い合わせ対応、広報あたりが主な議論の対象になっていました。議論の中身は書きませんので、以下は聞きながら考えたことです。
つばさ支援基金の現在の対象は、①70歳未満、②一般所得区分(住民税納税しているが月額53万円未満)のうち世帯年収168万円未満、③1年以上治療継続となっており、①②の条件が厳しく特に2007年時点で8000千人以上いる(治験ナビ)とされる患者数の大部分が対象となっておらず、ドタ勘ですが1割前後の500-1000名ではないかと感じました。
このPPTのようなアンケート調査も行われているので、そこの所得分布から推測する必要がありますが(これをまずやりたい)、これだけ絞っているのはやはり使える金額の総額が少ないからではないか、という印象を受けました。
これまでの取り組みを存じ上げていないので、ファンドレイジングと広報(全国に分散する1万人未満の特定病気のセグメントにどうやってリーチするか、という難問)のどちらの優先順位が高いのか、またお話をお聞きして確認して、うまく自分のコネクション・ネットワークとスキルセット(経営コンサルティング、ファンドレイジング経験、等)を活かせるように関わっていきたいと思っております。
Diagnosed as Chronic Myelogenous Leukemia (CML) in my late twenties, I've decided to live with what I love and do what I'd love to do. Be yourself; be happy.
2011年6月27日
ランチ記録(6/20-27)
6/20: 魚の日替わり定食
6/21: 昨晩の残りお弁当+コンビニおにぎり
6/22: 長崎皿うどん@リンガーハット
6/23: つけ麺+味玉子
6/24: カルビ焼き肉定食
6/25: あんかけチャーハン
6/26: おにぎり2個
6/27: ネギ卵牛肉ぶっかけ冷うどん
副作用:なし
風邪もすっかり治ったし、副作用も何かすっかり出ないいい感じです。
6/21: 昨晩の残りお弁当+コンビニおにぎり
6/22: 長崎皿うどん@リンガーハット
6/23: つけ麺+味玉子
6/24: カルビ焼き肉定食
6/25: あんかけチャーハン
6/26: おにぎり2個
6/27: ネギ卵牛肉ぶっかけ冷うどん
副作用:なし
風邪もすっかり治ったし、副作用も何かすっかり出ないいい感じです。
2011年6月19日
2011/6/19 つばさフォーラム 「特集・白血病」備忘録(主に急性白血病について)
6月19日の日曜日に開催されたつばさフォーラム「特集・白血病」に参加してきました。
直接CMLの話はなかったですが色々と勉強になりました。部分的ですが、メモを残しておきます。
■アジェンダ
I 血液と白血病について知ろう
造血の仕組みと白血病の病態
東京慈恵会医科大学附属第三病院 薄井 紀子 先生
II 白血病の治療とその後について学び、考えよう
1)様々な治療と成績、治療選択
杏林大学病院 高山 信之 先生
2)小児白血病治療における晩期障害軽減に向けて
a)小児急性リンパ性白血病の新統一プロトコールにおける予防的頭蓋照射の全廃について
日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)急性リンパ性白血病委員会委員長/中通総合病院 渡辺 新 先生
b)小児白血病治療における認知発達への影響とその対処法
国立成育医療センター 臨床研究センター 船木 聡美 先生
III 闘病生活での様々な支援
1)移植中、通院化学療法中の感染症対策ほか、闘病へのアドバイス
移植看護ネットワーク/国立がん研究センター中央病院 荒木 光子 さん
2)より良い生活とより良い治療のために 早期からの緩和ケア
辛い治療をじょうずに乗り越えるために、緩和ケアの基本的考え方をうかがいます。
国立がん研究センター中央病院 緩和医療科・精神腫瘍科 的場 元弘 先生
より良い闘病のために・・・何でも訊こう 講師全員
会場全体とのQ&A
■開催主体
共催:NPO法人日本臨床研究支援ユニット(JCRSU)、JCRSU・がん電話情報センター、
共催:NPO法人白血病研究基金を育てる会
後援:JALSG(日本成人白血病治療共同研究会グループ)
企画・総合司会:NPO法人血液情報広場・つばさ 橋本明子
(ここから個人的な備忘録)
■造血の仕組み
・血液は血漿と血球からできている
・血球は赤血球と白血球と血小板の三種類
・血液細胞すなわち血球は骨髄で造られる、赤血球なら一時間に百億個、白血球なら一から十億個も生成されるプロセス
・白血球の一種である好中球は12-14日間で排出
■白血病とは
・幼若な芽球が血液中に増える、過形成され無秩序な白血球の増加
・原因は細胞の分化、増殖に関わる遺伝子の量的変化、質的変化
・急性acuteと慢性chronic、骨髄性とリンパ性の組合わせで四パターン
・年間発症は十万人に6-7人 うちAML50 ALL25 CML20 CLL5。ALLは子供に多い、CLLは欧米で多い
■白血病治療の基本戦略
・白血病細胞を除去し、正常骨髄機能を回復
・完全寛解を目指した寛解導入療法、寛解を維持するための寛解後療法の大きく二段階
・AMLは完全寛解八割前後、生存率四割前後、ただし予後の結果は染色体異常の種類によって大きく異なる
・例えばAPLは中国で開発された治療法により寛解率九割、生存率八割になった
■AML(急性骨髄性白血病)の治療
・化学療法は最初はよく効くが、再発すると抗がん剤が効かない白血病細胞が増えて効かなくなってしまう
・そこで、造血幹細胞移植という選択があり再発後の生存率は高いが、合併症で亡くなる割合が二割程度存在する
・完全寛解に至る確率は高いが、その後に無治療では二年以内にほぼ全例再発するため地固め療法が必要。白血球が増え始めたころから実施。弱い寛解後治療は維持療法と呼ばれる
・造血幹細胞移植とは、大量化学療法と全身放射線照射により腫瘍細胞と正常細胞と一緒に根絶、その後に造血幹細胞の輸注を通常は点滴で行い2-4週間でドナー由来の造血細胞が働きはじめることを目指す
・HLA型の違いが拒絶反応を引き起こすため一致を確認するが、一般には万分の一程度の低確率で一致していても、マイナー組織適合抗原のミスマッチによりドナーのT細胞がレシピエントの臓器に攻撃を行なう場合がありGVHDと呼ばれる(移植片対宿主病)
・ただし、GVHDが出現した症例は再発の可能性が低くなりGVL効果、移植片対白血病効果で残存白血病細胞の駆逐に役立っていると考えられている
・他の移植後合併症は、臓器障害、感染症、晩期障害
・最も望ましい移植タイミングは寛解期であり、非寛解期の移植成績は二割程度で頭打ち
・第一寛解期に移植をすると化学療法だけで治っていたかもしれないのにリスクを負わせる可能性があり、第二寛解期の移植が望ましいのではないか。将来の再発リスクを判定するやり方について現在も議論がなされている
・論文では移植症例は移植日まで生存していた生存症例カウントされるので割り引いて考える必要
・移植を除いた現実的な化学療法の無病生存率は30-40%、二年程度で半分強が再発、再発後に完全寛解に至ったのは半数
・移植の五年生存率は第一寛解期移植は6割前後、第二寛解期は5割前後、非寛解期は2割前後。非血縁だと5パーセンテージポイント下がる
・遺伝子検査による再発リスク判断からは、予後良好群は化学療法を、予後不良群は第一寛解期に移植を
■ALL(急性リンパ性白血病)の治療方針
・ALLはイマチニブで寛解後に速やかに移植を実施するのが基本方針(Ph遺伝子陽性型)
・化学療法のみの場合、無イベント生存率は四割前後
・思春期(16~20歳)のALLは成人プロトコールより小児プロトコールより圧倒的に生存率がよい(2/3対1/3)
・スタンダードリスク群とハイリスク群に分けると、ハイリスク群では移植と科学治療の差が有意ではない
・ただし、再発後の予後はAMLより悪く、早めの移植が日本での実績も鑑みると適切かもしれない
・ALLにも第二世代のチロキシナーゼ阻害薬の効果は期待されるが、今後の臨床研究が必要
■小児白血病治療の認知発達への影響
・ALLが多い。脳や脊髄などの中枢神経に浸潤しやすいため、それを薬を使って防いでいく(髓注やメソトレキセート大量療法)
・薬のみならず従来は放射線を使っていたが脳に対する副作用があり、新しいプロトコールでは全廃する
・化学療法だけのプロトコールでは、欧米での研究だと、認知的能力の発達するときの治療のため、認知機能変化は出ているが統一見解は生まれていないが、IQ低下が軽度あり読解力や算数の学力の軽度低下はある。しかし成長速度は落ちるが伸びは継続するので、継続的な刺激と教育が必要
・アメリカの実証研究で、一年に四回評価と計画を行なうことで、放置ケースと比べて介入することでIQを回復させられる(90→100)
・一方で、治療によって長期記憶、コミュニケーション能力、言語能力は低下しない!
・小児白血病の子供を持つ親御さんのためのegonokiクラブ
■移植中、通院化学療法中の感染対策
・昔の写真でみるような、ビニール越しの無菌室のような過度な無菌治療環境はもはや存在しない
・感染対策としての無菌化をやめてより効率化してきたため、感染予防ケアが重要に
・口腔・皮膚・陰部・肛門のケアを日常習慣として普段から行なう
・口腔内細菌数を増やさない→うがい、ブラッシング、食事形態、口内炎による痛みには鎮痛剤
・皮膚→洗浄し清潔に保つ、軟膏等で湿潤環境を保つ、鎮痛剤を使いつつ歩くための工夫
・感染予防ポイント→人ごみにはいかない、埃を吸い込まないようにマスクをする、土いじりはしない、工事現場に近寄らない、こまめに手を洗う、フットケアを行なう、ペットボトルは開けて数時間以内に飲み切る、等々
■緩和ケア palliative care
・患者や家族がつらくないように、がんやがん治療と付き合っていくための方法論
・がんの経過に従って、病変自体の治療から痛みの治療と緩和ケアに移行していく
・緩和ケア=がんの治療を諦めることではない
・肺ガンの論文で、緩和ケアを受けた群の方が生存期間が長かったというスタディ結果もあり
・日本人が終末期に大切にしたいこと→苦痛がない、望んだ場所で過ごす、希望や楽しみがある、医師や看護士を信頼できる、家族の負担にならない、患者ではなく人間性を尊重される
→患者としてではなく、自分として死にたい
・痛い、食欲がない、眠れないので生活ができなくなる様な我慢をしてもしょうがない
・痛みを感じる神経線維には伝わるのが早い遅いの二種類あり、a-delta繊維とc繊維があり、がんの痛みが通じるのは後者でありモルヒネ等はそちら効く
・モルヒネ等は誤解されているが、麻薬中毒にならない、命は縮まない、だんだん効かなくならない、眠気は出るが意識はある、最後の手段ではなく他にもたくさんある、お花畑にはいけない(笑)
・痛みの伝え方→どこが、いつから、どんなふうに(鈍い、刺すような、痺れる、いつも、時々、じっとしている、動くとき)、どれくらい、痛みでできないこと、使っている薬の名前
・苦痛のない生活を維持することも、治療と同じように大事
・苦痛の緩和の治療はがんに対する敗北宣言ではない
・患者自身にしか、つらさがあることを伝えることはできない
■Q&A
・移植は何歳まで可能か?→七十歳あるいは八十歳を超えて挑戦している病院もあるが一般的にいえば効果があるかは何とも言えない、治療抵抗性・難治性でも救援療法はあるが輸血中心に緩和目的の方向転換も重要。在宅輸血治療を定期的に行なう場合、下世話な話だが、保険査定の対象となるので引き受けてもらえない可能性もある
・発酵食品を食べてはいけないのか?→発酵食品を禁止している施設もあるがヨーグルト等は、発熱していて余程白血球が少ない場合でなければ、食べたいものを食べて免疫力えを高めるほうが大事ではないか
・フィラデルフィア遺伝子陽性のAMLで化学療法で寛解後再発したがグリベックを飲んで再寛解した。今後も化学療法で進めるのがベストなのか?→医学的な結論は出ていない問題。五十六歳という年齢は移植医によっては判断が別れる微妙なところだが、全身状態がよくHLA一致ドナーがいることが大前提だが、移植も選択肢にいれたほうがよいかもしれない
・子供への移植と教育について→移植をしたかしないかでその後の生き方はやはり変わる。フル移植をした方は何らかのサポートが必要。成年がんが出やすいかもしれない。子供達には自分の健康は一生自分で見ていくよう何回も強調している。さらに、教育は次の道を開くので、何としてもサポートをしていきたい。どこで引っかかるのか分かってきたので、それをすくい上げるシステムが必要
・司会のまとめ:血液がんの全般を特定疾患にすることは、医療費増大の状況下で難しいが、交通費無料や患者と家族が年に二回ヨーロッパ旅行に行けるなど、なんかしら社会からのサポートがあるとよい
直接CMLの話はなかったですが色々と勉強になりました。部分的ですが、メモを残しておきます。
■アジェンダ
I 血液と白血病について知ろう
造血の仕組みと白血病の病態
東京慈恵会医科大学附属第三病院 薄井 紀子 先生
II 白血病の治療とその後について学び、考えよう
1)様々な治療と成績、治療選択
杏林大学病院 高山 信之 先生
2)小児白血病治療における晩期障害軽減に向けて
a)小児急性リンパ性白血病の新統一プロトコールにおける予防的頭蓋照射の全廃について
日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)急性リンパ性白血病委員会委員長/中通総合病院 渡辺 新 先生
b)小児白血病治療における認知発達への影響とその対処法
国立成育医療センター 臨床研究センター 船木 聡美 先生
III 闘病生活での様々な支援
1)移植中、通院化学療法中の感染症対策ほか、闘病へのアドバイス
移植看護ネットワーク/国立がん研究センター中央病院 荒木 光子 さん
2)より良い生活とより良い治療のために 早期からの緩和ケア
辛い治療をじょうずに乗り越えるために、緩和ケアの基本的考え方をうかがいます。
国立がん研究センター中央病院 緩和医療科・精神腫瘍科 的場 元弘 先生
より良い闘病のために・・・何でも訊こう 講師全員
会場全体とのQ&A
■開催主体
共催:NPO法人日本臨床研究支援ユニット(JCRSU)、JCRSU・がん電話情報センター、
共催:NPO法人白血病研究基金を育てる会
後援:JALSG(日本成人白血病治療共同研究会グループ)
企画・総合司会:NPO法人血液情報広場・つばさ 橋本明子
(ここから個人的な備忘録)
■造血の仕組み
・血液は血漿と血球からできている
・血球は赤血球と白血球と血小板の三種類
・血液細胞すなわち血球は骨髄で造られる、赤血球なら一時間に百億個、白血球なら一から十億個も生成されるプロセス
・白血球の一種である好中球は12-14日間で排出
■白血病とは
・幼若な芽球が血液中に増える、過形成され無秩序な白血球の増加
・原因は細胞の分化、増殖に関わる遺伝子の量的変化、質的変化
・急性acuteと慢性chronic、骨髄性とリンパ性の組合わせで四パターン
・年間発症は十万人に6-7人 うちAML50 ALL25 CML20 CLL5。ALLは子供に多い、CLLは欧米で多い
■白血病治療の基本戦略
・白血病細胞を除去し、正常骨髄機能を回復
・完全寛解を目指した寛解導入療法、寛解を維持するための寛解後療法の大きく二段階
・AMLは完全寛解八割前後、生存率四割前後、ただし予後の結果は染色体異常の種類によって大きく異なる
・例えばAPLは中国で開発された治療法により寛解率九割、生存率八割になった
■AML(急性骨髄性白血病)の治療
・化学療法は最初はよく効くが、再発すると抗がん剤が効かない白血病細胞が増えて効かなくなってしまう
・そこで、造血幹細胞移植という選択があり再発後の生存率は高いが、合併症で亡くなる割合が二割程度存在する
・完全寛解に至る確率は高いが、その後に無治療では二年以内にほぼ全例再発するため地固め療法が必要。白血球が増え始めたころから実施。弱い寛解後治療は維持療法と呼ばれる
・造血幹細胞移植とは、大量化学療法と全身放射線照射により腫瘍細胞と正常細胞と一緒に根絶、その後に造血幹細胞の輸注を通常は点滴で行い2-4週間でドナー由来の造血細胞が働きはじめることを目指す
・HLA型の違いが拒絶反応を引き起こすため一致を確認するが、一般には万分の一程度の低確率で一致していても、マイナー組織適合抗原のミスマッチによりドナーのT細胞がレシピエントの臓器に攻撃を行なう場合がありGVHDと呼ばれる(移植片対宿主病)
・ただし、GVHDが出現した症例は再発の可能性が低くなりGVL効果、移植片対白血病効果で残存白血病細胞の駆逐に役立っていると考えられている
・他の移植後合併症は、臓器障害、感染症、晩期障害
・最も望ましい移植タイミングは寛解期であり、非寛解期の移植成績は二割程度で頭打ち
・第一寛解期に移植をすると化学療法だけで治っていたかもしれないのにリスクを負わせる可能性があり、第二寛解期の移植が望ましいのではないか。将来の再発リスクを判定するやり方について現在も議論がなされている
・論文では移植症例は移植日まで生存していた生存症例カウントされるので割り引いて考える必要
・移植を除いた現実的な化学療法の無病生存率は30-40%、二年程度で半分強が再発、再発後に完全寛解に至ったのは半数
・移植の五年生存率は第一寛解期移植は6割前後、第二寛解期は5割前後、非寛解期は2割前後。非血縁だと5パーセンテージポイント下がる
・遺伝子検査による再発リスク判断からは、予後良好群は化学療法を、予後不良群は第一寛解期に移植を
■ALL(急性リンパ性白血病)の治療方針
・ALLはイマチニブで寛解後に速やかに移植を実施するのが基本方針(Ph遺伝子陽性型)
・化学療法のみの場合、無イベント生存率は四割前後
・思春期(16~20歳)のALLは成人プロトコールより小児プロトコールより圧倒的に生存率がよい(2/3対1/3)
・スタンダードリスク群とハイリスク群に分けると、ハイリスク群では移植と科学治療の差が有意ではない
・ただし、再発後の予後はAMLより悪く、早めの移植が日本での実績も鑑みると適切かもしれない
・ALLにも第二世代のチロキシナーゼ阻害薬の効果は期待されるが、今後の臨床研究が必要
■小児白血病治療の認知発達への影響
・ALLが多い。脳や脊髄などの中枢神経に浸潤しやすいため、それを薬を使って防いでいく(髓注やメソトレキセート大量療法)
・薬のみならず従来は放射線を使っていたが脳に対する副作用があり、新しいプロトコールでは全廃する
・化学療法だけのプロトコールでは、欧米での研究だと、認知的能力の発達するときの治療のため、認知機能変化は出ているが統一見解は生まれていないが、IQ低下が軽度あり読解力や算数の学力の軽度低下はある。しかし成長速度は落ちるが伸びは継続するので、継続的な刺激と教育が必要
・アメリカの実証研究で、一年に四回評価と計画を行なうことで、放置ケースと比べて介入することでIQを回復させられる(90→100)
・一方で、治療によって長期記憶、コミュニケーション能力、言語能力は低下しない!
・小児白血病の子供を持つ親御さんのためのegonokiクラブ
■移植中、通院化学療法中の感染対策
・昔の写真でみるような、ビニール越しの無菌室のような過度な無菌治療環境はもはや存在しない
・感染対策としての無菌化をやめてより効率化してきたため、感染予防ケアが重要に
・口腔・皮膚・陰部・肛門のケアを日常習慣として普段から行なう
・口腔内細菌数を増やさない→うがい、ブラッシング、食事形態、口内炎による痛みには鎮痛剤
・皮膚→洗浄し清潔に保つ、軟膏等で湿潤環境を保つ、鎮痛剤を使いつつ歩くための工夫
・感染予防ポイント→人ごみにはいかない、埃を吸い込まないようにマスクをする、土いじりはしない、工事現場に近寄らない、こまめに手を洗う、フットケアを行なう、ペットボトルは開けて数時間以内に飲み切る、等々
■緩和ケア palliative care
・患者や家族がつらくないように、がんやがん治療と付き合っていくための方法論
・がんの経過に従って、病変自体の治療から痛みの治療と緩和ケアに移行していく
・緩和ケア=がんの治療を諦めることではない
・肺ガンの論文で、緩和ケアを受けた群の方が生存期間が長かったというスタディ結果もあり
・日本人が終末期に大切にしたいこと→苦痛がない、望んだ場所で過ごす、希望や楽しみがある、医師や看護士を信頼できる、家族の負担にならない、患者ではなく人間性を尊重される
→患者としてではなく、自分として死にたい
・痛い、食欲がない、眠れないので生活ができなくなる様な我慢をしてもしょうがない
・痛みを感じる神経線維には伝わるのが早い遅いの二種類あり、a-delta繊維とc繊維があり、がんの痛みが通じるのは後者でありモルヒネ等はそちら効く
・モルヒネ等は誤解されているが、麻薬中毒にならない、命は縮まない、だんだん効かなくならない、眠気は出るが意識はある、最後の手段ではなく他にもたくさんある、お花畑にはいけない(笑)
・痛みの伝え方→どこが、いつから、どんなふうに(鈍い、刺すような、痺れる、いつも、時々、じっとしている、動くとき)、どれくらい、痛みでできないこと、使っている薬の名前
・苦痛のない生活を維持することも、治療と同じように大事
・苦痛の緩和の治療はがんに対する敗北宣言ではない
・患者自身にしか、つらさがあることを伝えることはできない
■Q&A
・移植は何歳まで可能か?→七十歳あるいは八十歳を超えて挑戦している病院もあるが一般的にいえば効果があるかは何とも言えない、治療抵抗性・難治性でも救援療法はあるが輸血中心に緩和目的の方向転換も重要。在宅輸血治療を定期的に行なう場合、下世話な話だが、保険査定の対象となるので引き受けてもらえない可能性もある
・発酵食品を食べてはいけないのか?→発酵食品を禁止している施設もあるがヨーグルト等は、発熱していて余程白血球が少ない場合でなければ、食べたいものを食べて免疫力えを高めるほうが大事ではないか
・フィラデルフィア遺伝子陽性のAMLで化学療法で寛解後再発したがグリベックを飲んで再寛解した。今後も化学療法で進めるのがベストなのか?→医学的な結論は出ていない問題。五十六歳という年齢は移植医によっては判断が別れる微妙なところだが、全身状態がよくHLA一致ドナーがいることが大前提だが、移植も選択肢にいれたほうがよいかもしれない
・子供への移植と教育について→移植をしたかしないかでその後の生き方はやはり変わる。フル移植をした方は何らかのサポートが必要。成年がんが出やすいかもしれない。子供達には自分の健康は一生自分で見ていくよう何回も強調している。さらに、教育は次の道を開くので、何としてもサポートをしていきたい。どこで引っかかるのか分かってきたので、それをすくい上げるシステムが必要
・司会のまとめ:血液がんの全般を特定疾患にすることは、医療費増大の状況下で難しいが、交通費無料や患者と家族が年に二回ヨーロッパ旅行に行けるなど、なんかしら社会からのサポートがあるとよい
2011年6月18日
グリベック飲み始めて初めて風邪を引く
6/14-18まで風邪で寝たり起きたりの生活でした。CMLになる前は、38度後半が出ても、だーっと汗かいて薬飲んだら大体一日くらいで治ってたものですが、やっぱり治りが悪いのか熱が下がったり上がったりでなかなか完治せず結局5日間もお休み状態でした(嫁が同じような風邪で二週間位苦しんでいたので、治りにくいお腹の風邪なのかもしれません)。お昼におかゆ一杯でも食べて、グリベックは毎日飲み続けられました。
三日で治らなかったので不安になりいつもの大学病院の血液内科に行ってみたけれども、曜日が違ったのでいつもの先生には診てもらえず、予約なしだったので3時間待った挙句、血液検査で抗体反応の蛋白(C反応性蛋白)が多く出ているから細菌性の風邪でしょうということで風邪薬としてアセトアミノフェンを出すというオチまで付いてくるし・・・相互作用の併用注意に「本剤と高用量のアセトアミノフェン(3~3.5g/日)との併用により重篤な肝障害が発現したとの報告がある。」はっきりと書いてあるのに、医者も薬剤師も知らずにスルーしたので、自己申告で医者に文句を言ってロキソニンに変えてもらいました。薬剤師に副作用あるんじゃないですか?と確認したときも「(端末を検索して)そうですね、飲んでいて目が黄色くなったりしたら危ないのでその時は飲むのをやめて下さいねー」みたいな軽いノリでした。。。
CML症例が多い天下の大学病院でもマイナーな病気はこんな扱いなので、やはり自分の身は自分で守らないといけないですね。風邪自体は、ロキソニンが効いたのか、土曜日にはだいぶ楽になり、日曜日には後述のつばさフォーラムに行ける位に回復して月曜日からは普通に出社しております。
三日で治らなかったので不安になりいつもの大学病院の血液内科に行ってみたけれども、曜日が違ったのでいつもの先生には診てもらえず、予約なしだったので3時間待った挙句、血液検査で抗体反応の蛋白(C反応性蛋白)が多く出ているから細菌性の風邪でしょうということで風邪薬としてアセトアミノフェンを出すというオチまで付いてくるし・・・相互作用の併用注意に「本剤と高用量のアセトアミノフェン(3~3.5g/日)との併用により重篤な肝障害が発現したとの報告がある。」はっきりと書いてあるのに、医者も薬剤師も知らずにスルーしたので、自己申告で医者に文句を言ってロキソニンに変えてもらいました。薬剤師に副作用あるんじゃないですか?と確認したときも「(端末を検索して)そうですね、飲んでいて目が黄色くなったりしたら危ないのでその時は飲むのをやめて下さいねー」みたいな軽いノリでした。。。
CML症例が多い天下の大学病院でもマイナーな病気はこんな扱いなので、やはり自分の身は自分で守らないといけないですね。風邪自体は、ロキソニンが効いたのか、土曜日にはだいぶ楽になり、日曜日には後述のつばさフォーラムに行ける位に回復して月曜日からは普通に出社しております。
2011年6月13日
ヒレカツ定食(淡路町 やまいち)
食事:ヒレカツ定食
副作用:なし
とんかつ定食が食べたかったのですが近場の丸五がやっておらず、しょうがないので淡路町までぶらりと足を伸ばして食べてきました。1600円のヒレカツ定食は、ヒレカツ一枚が食べやすいように八分割されており、肉もジューシーで美味しかったです。ちょっと遠いのでそんなには来られないですが、丸五よりはこちらの方がコストパフォーマンスがよいですね。
副作用:なし
とんかつ定食が食べたかったのですが近場の丸五がやっておらず、しょうがないので淡路町までぶらりと足を伸ばして食べてきました。1600円のヒレカツ定食は、ヒレカツ一枚が食べやすいように八分割されており、肉もジューシーで美味しかったです。ちょっと遠いのでそんなには来られないですが、丸五よりはこちらの方がコストパフォーマンスがよいですね。
2011年6月12日
2011年6月11日
2011年6月10日
2011年6月9日
2011年6月8日
フレンチコース(麹町 村上開新堂)
食事:アペタイザー、スープ、メイン(鴨肉)、デザートのフルコース
仕事のインタビューを兼ねて、インタビューの希望で訪れたお店が思いの外の超高級店で優雅なランチを楽しみました。一人頭6300円のコースに、飲み物・チーズで一人8千円かかりましたが。。。経費でどこまで落とせるかな。インタビュー内容自体は非常に価値がある情報を提供いただいたので費用対効果的には非常に高かったからよしとしましょう。
仕事のインタビューを兼ねて、インタビューの希望で訪れたお店が思いの外の超高級店で優雅なランチを楽しみました。一人頭6300円のコースに、飲み物・チーズで一人8千円かかりましたが。。。経費でどこまで落とせるかな。インタビュー内容自体は非常に価値がある情報を提供いただいたので費用対効果的には非常に高かったからよしとしましょう。
2011年6月7日
2011年6月6日
ランチ記録(6/3-6)&TOEFL初受験(6/5)
6/3: チーズバーガーセット
6/4: 冷やし中華@過門香 丸の内トラストタワー店
6/5: トマトドリア風のオムライス←TOEFL受験後
6/6: 焼きそば
副作用:全てなし
日曜日にTOEFLを初受験してきました。会場は横浜国立大学で、初めて行きましたが落ち着いた感じの大学でした。(横浜駅西口から14番系統のバスで20分程度で正門前)身分証明書が不足して家族に横浜までパスポートを運んでもらうというハプニングもありつつ、なんとか無事に終えました。
予想点数は、85/120というところでしょうか(Reading:25/30 Listening:25/30 Speaking:15/30 Writing: 20/30)。最近英語をしゃべってなかったので言葉がうまくつながらなかったのと、最後のWritingの二つ目で集中力が切れたのを感じましたが、定期的に英語文献を読んだり聞いていたお陰でそこまで英語力自体は落ちておらず、単語量増やす努力を再開して、あとはSpeaking/Writingの試験対策(時間を想定してまとめる工夫)をすれば点数は上がるな、と感じました。二週間後の結果が楽しみです。
現在使用している参考書:TOEFLテスト基本ボキャブラリー2000語
6/9追記
早くもテスト結果が返ってきました。総合99点で、全体的に予想より上振れしました。
SpeakingとWritingを対策すれば110点台もそんなに遠くない、という印象です。
Reading:30(予想+5)
Listening:26(予想+1)
Speaking:19(予想+4)
Writing:24(予想+4)
Total:99(予想+14)
6/4: 冷やし中華@過門香 丸の内トラストタワー店
6/5: トマトドリア風のオムライス←TOEFL受験後
6/6: 焼きそば
副作用:全てなし
日曜日にTOEFLを初受験してきました。会場は横浜国立大学で、初めて行きましたが落ち着いた感じの大学でした。(横浜駅西口から14番系統のバスで20分程度で正門前)身分証明書が不足して家族に横浜までパスポートを運んでもらうというハプニングもありつつ、なんとか無事に終えました。
予想点数は、85/120というところでしょうか(Reading:25/30 Listening:25/30 Speaking:15/30 Writing: 20/30)。最近英語をしゃべってなかったので言葉がうまくつながらなかったのと、最後のWritingの二つ目で集中力が切れたのを感じましたが、定期的に英語文献を読んだり聞いていたお陰でそこまで英語力自体は落ちておらず、単語量増やす努力を再開して、あとはSpeaking/Writingの試験対策(時間を想定してまとめる工夫)をすれば点数は上がるな、と感じました。二週間後の結果が楽しみです。
現在使用している参考書:TOEFLテスト基本ボキャブラリー2000語
6/9追記
早くもテスト結果が返ってきました。総合99点で、全体的に予想より上振れしました。
SpeakingとWritingを対策すれば110点台もそんなに遠くない、という印象です。
Reading:30(予想+5)
Listening:26(予想+1)
Speaking:19(予想+4)
Writing:24(予想+4)
Total:99(予想+14)
2011年6月3日
血液がん・高額療養費制度の見直しを提案する連絡会をスタート(がんサポート情報センター)
09年12月3日にメディア向け懇談会を開催、以降で表立っては活動が止まっているようで残念なので、プロボノとして、どっかのコンサルティングファーム(具体的にはヘルスケアに強いマッキンゼーかBCG)とかの知恵をうまく活用できないでしょうか。NPO法人つばさ、CML患者会「いずみの会」に入ってプレゼンスを上げてから色々仕掛けていきたいと思います。とりあえず6月19日の急性骨髄性白血病のセミナーには行こうと思います
なお、がんサポート情報センターの2010年4月の記事はコチラ。
一生飲み続ける慢性骨髄性白血病薬の経済的負担は「重い」
「いずみの会」代表の田村英人さん
なお、がんサポート情報センターの2010年4月の記事はコチラ。
一生飲み続ける慢性骨髄性白血病薬の経済的負担は「重い」
医療費負担の軽減のため高額療養費制度の見直しを!
取材・文:菊池憲一(社会保険労務士)
(2010年04月号)
(2010年04月号)
分子標的薬グリベック(一般名イマチニブ)などの登場で、慢性骨髄性白血病患者の生存率は飛躍的に延びた。
しかし、患者は高額な薬を生涯服用しなければならず、その経済的負担は大きい。慢性骨髄性白血病患者・家族の会「いずみの会」など血液疾患支援・患者団体4団体は共同で、医療費負担の軽減のため、高額療養費制度の見直しを訴えている。
しかし、患者は高額な薬を生涯服用しなければならず、その経済的負担は大きい。慢性骨髄性白血病患者・家族の会「いずみの会」など血液疾患支援・患者団体4団体は共同で、医療費負担の軽減のため、高額療養費制度の見直しを訴えている。
負担軽減を課題に掲げた患者・家族の会を発足
「いずみの会」代表の田村英人さん
慢性骨髄性白血病患者・家族の会「いずみの会」は、「グリベック服用の負担軽減」を大きな課題に掲げて、「高額療養費制度の見直し」を提案している。
代表の田村英人さん自身、2003年4月、53歳のときに、慢性骨髄性白血病を告知された。同年6月から、グリベックを服用している。
幸い、グリベックで寛解(*)に至ったが、病気が完全に治ったわけではない。寛解は、治癒、根治、完治とは違う。治療をしないでいると、白血病細胞が再び増えてくる可能性がある。そのため、グリベックなどの薬を、生涯服用しなければならない。しかし、薬は高額である。田村さんも、経済的負担に苦しみ続けている。
田村さんは病気になったとき、インターネットなどで情報を探し、いろいろな機会を求めて、フォーラムなどにも参加した。しかし、同じ白血病でも種類によって治療は異なり、病気に対する感じ方も違っていた。
「慢性骨髄性白血病の人だけが集まって、話し合える場がほしい、という意識が強くなりました」と田村さん。
血液がん患者会のNPO法人血液情報広場「つばさ」主催のフォーラムで、その思いを語ったら、代表の橋本明子さんらから応援を得ることができた。
2007年秋、慢性骨髄性白血病患者会発足の準備会を立ち上げて、同年12月、「いずみの会」を発足させた。
同会は、2009年4月、会員やフォーラムの参加者に呼び掛けて、アンケート調査を行った。
慢性骨髄性白血病患者が治療を受けるにあたって日頃から抱いている思いや、治療上困難に感じている点について把握し、よりよい治療方法について、患者さんの家族、または医療者、製薬会社への情報発信を行うことが調査の目的だった。
137人の回答からは、左記のような結果が出た。
慢性骨髄性白血病の治療では、「治療に関わる医療費の負担」を困難と感じる割合がとくに多く、経済的な負担が最も大きな問題であることが明らかとなった。
また、現在ほしい情報については「自身の今後の見通し」に次いで「医療費」が多かった。
田村さん自身、高額な医療費に苦しんできたから、この調査結果はよく理解できた。
*寛解=病気の症状が軽減またはほぼ消失し、臨床的にコントロールされた状態
4団体共同で高額療養費の見直しを訴えていく
09年12月、報道機関を対象とした「高額療養費に関する懇談会」を開催した
2001年に登場した慢性骨髄性白血病治療薬グリベックにより、長期生存を期待できる患者は増えた。しかし、この治療には高額の医療費がかかり、また治療期間も生涯と長期にわたる。そのため、患者の経済的負担は大きい。
長期間にわたって、高い治療費を患者が負担しなければならない状況を受けて、昨年12月、「つばさ」「いずみの会」「日本骨髄腫患者の会」「骨髄異形成症候群(MDS)連絡会」の血液疾患支援・患者団体4団体は、「血液がん・高額療養費見直しを提案する連絡会」(代表・橋本さん)を発足させた。 4団体は共同で、高額療養費制度の自己負担上限額の引き下げを訴え、その早期実現を第一に目指す考えだ。
また、連絡会は昨年12月3日に、報道向けの懇談会を開催。
(1)がん・非がんすべての疾病ごとに「高額医療」を知識として集めて共有する、(2)地方自治体に医療費問題での協力を要請する、(3)シンポジウム開催(5月9日早稲田大学井深ホール)――など、今後の活動内容についても発表した。
高額療養費の払い戻し額は病院の領収書で予想できる
日本の健康保険法と国民健康保険法には、高額療養費制度がある。これは、被保険者(*)または被扶養者が同一の医療機関(薬局を含む)に対して、同一の月に、窓口で支払った医療費が自己負担限度額という一定の額を超えた場合、その超えた額を還付する制度である。
自己負担限度額は、40頁表のように年齢や所得によって多少異なる。また、高額療養費の支給要件、払い戻し額などは、医療機関から全国健康保険協会や健康保険組合などの保険者(*)に提出されたレセプト(診療報酬明細書)1件ごとに、保険者が確認する。そのため、高額療養費制度による払い戻しがあるかどうかは、患者側にはわかりにくい。それでも、病院の領収書と薬局の領収書を見れば、予想はできる。
例えば、所得が「一般」に区分される50歳代の被保険者Aさんが外来通院をした場合、次のようになる。
外来診療費の領収書の合計保険点数と、薬局の領収書の合計保険点数を足した保険点数に10円をかけた額が表の「医療費」となる。この額を表の計算式に入れて計算すると、「自己負担限度額」が出てくる。実際に医療機関の窓口で支払った額から自己負担限度額を差し引いた額が「高額療養費」として、Aさんの個人口座に払い戻されることになる。
*被保険者=健康保険に加入し、病気やけがなどをしたときなどに必要な給付を受けることができる人
*保険者=健康保険事業を運営するために保険料を徴収したり、保険給付を行ったりする運営主体
*保険者=健康保険事業を運営するために保険料を徴収したり、保険給付を行ったりする運営主体
[70歳未満の方の高額療養費自己負担限度額]
(70歳以上の方と70歳未満の方の世帯合算を含む)
[70歳以上の方の高額療養費自己負担限度額]
(70歳以上の方と70歳未満の方の世帯合算を含む)
区分 | 表記 | 自己負担限度額 | 12カ月の間に4回以上対象となる場合の 4回目からの自己負担限度額 |
---|---|---|---|
一般 | B | 80,100円+(医療費※-267,000円)×1% | 44,400円 |
上位所得者 (国民健康保険税の算定の 基礎となる基礎控除後の所得が 600万円を超える世帯) | A | 150,000円+(医療費※-500,000円)×1% | 83,400円 |
市民税非課税世帯 | C | 35,400円 | 24,600円 |
区分 | 自己負担限度額 | ||
---|---|---|---|
外来 (個人ごとに計算します) | 世帯単位で入院と外来が 複数あった場合は合算します | ||
一般 | 12,000円 | 44,400円 | |
現役並み所得者 | 44,400円 | 80,100円+(医療費※-267,000円)×1% (4回目から44,400円) | |
市民税非課税世帯 | II | 8,000円 | 24,600円 |
I | 15,000円 |
※医療費の総額(10割)となります
患者負担は薬代だけで年間約60万円!
グリベックの「薬剤料(薬価)だけ」にしぼって、試算してみると――。
グリベックの薬価は、3128.5円。標準的には、1日4錠服用する。外来通院で、医師からグリベックを1日4錠、4週間分(28日分)を処方してもらうと、保険点数にカウントされる薬剤料だけで35万円ほどになる。患者の自己負担割合が3割なら、Aさんが医療機関の窓口で支払う額は、薬剤料だけで10万5000円ほどになる。
表の式で計算すると、自己負担限度額は8万0930円。窓口で支払った額10万5000円から、自己負担限度額8万0930円を差し引いた2万4070円があとで払い戻される。
Aさんは、10月中、11月中、12月中に、外来通院で、グリベックの4週間分の処方を受けた。3回とも、同じ計算式にもとづいて、高額療養費が払い戻された。翌年1月中の外来通院のときは、「多数該当」となり、自己負担限度額は4万4400円に軽減された。診療を受けた月以前12カ月以内にすでに3回以上高額療養費が支給されているときは、4回目から自己負担限度額が軽減される。Aさんの場合、翌年1月中に受診したとき、この多数該当が適用された。窓口で支払った10万5000円から、自己負担限度額4万4400円を差し引いた6万0600円があとで払い戻された。もし、翌年2月中、3月中……という月1回の外来通院リズムで、4週間処方を受け続けたら、毎回、自己負担限度額4万4400円が適用される。
しかし、自己負担限度額が4回目以降、4万4400円となっても、薬代だけで年間の負担額は約60万円(4回目以降、4万4400円×12回=53万2800円)にものぼるのだ。
処方間隔を3カ月にすることで負担は減少
薬の投与量は、厚生労働省の「規則」「告示」などで、1回14日分、30日分、90日分を限度とする、などと決められている。この「規則」「告示」などを調べた結果、グリベックには投与期間の上限が定められていないことがわかった。
「直近12カ月の間に、4回以上対象となる場合の自己負担限度額は4万4400円と定められています。そのため、現状制度での経済的負担額の低減方法としては、処方間隔を3カ月(90日分)にすることで患者さんの負担はとてもミニマムになります」(田村さん)
この方法を、Aさんのケースで試算してみると……。
Aさんが、医師の理解と協力を得て、3カ月処方に切り替えると、年間の自己負担限度額は17万7600円(4回目以降、4万4400円×4回)となり、4週間処方に比べて、年間35万5200円(53万2800円-17万7600円)も医療費負担が軽くなる。
現状制度での負担軽減法を周知徹底していく
「まずは、グリベックの3カ月処方で慢性骨髄性白血病患者さんの医療費負担が軽減できるように、この方法を周知徹底するための広報活動に取り組んでいきたい。また、今後は、長期治療中の患者さんの負担軽減のために、高額療養費制度の自己負担限度額をもう少し生活実感に近い金額まで引き下げられないか、など制度そのものの改定を訴えていきたいと思っています」と田村さん。
1疾病、1剤、1治療法に焦点を当てるのではなく、高額療養費制度自体の改定を、連絡会として訴えていきたいという。
「最終的な夢は、慢性骨髄性白血病の治癒につながる薬が開発されることです。そうすれば、薬を一生服用する必要もなくなり、経済的な問題もなくなります。患者、医療従事者、製薬会社が協力し合い、情報交換をして、思いが1つの方向にまとまるように今後も努力していきたいと思います」(田村さん)
2011年6月2日
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