2012年7月10日

聖の青春(著:大崎 善生)

親友に薦められて読みましたが素晴らしかったです。一人有楽町のドトールで涙をこぼしてしまいました。 将棋がわからない人も、勝負事の世界に生きていない人も、病気を抱えていない人も、全ての人に読んでほしい。しかし、村山聖さんが、被曝二世だとは知りませんでした。

聖の青春 (講談社文庫)
ことさら感情をかきたてようとしない平易な文章を通じて、師弟関係、病気との闘い、周囲のサポート、生きざま、一つ一つが心に沁みてきます。最終章の、森師匠の「村山君が年をとって・・・」というところでは思わず落涙してしまいました。

彼の指した棋譜が残り続けるのは、人格の一部が残り続けるようで不思議ですが、そうやってたくさんの棋士が彼の存在に今も触れることができるのは、素敵なことのように思えます。私は「三月のライオン」を読んで興味を持った口ですが、そうでない方にも、なるべく多くの方に読んでほしい本です。

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