MMR達成時期と進行リスクの情報が、グリベックのWEBから消えてしまったので代わりの解説をいろいろ探していて、やっと日本語での記事を一つ見つけました。欲しかった情報はこれ:
治療開始18カ月時点で3 log以上の寛解深度に至った139例では、今日までに移行期/急性転化期へ進行したケースが1例も無く、全例が慢性期に留まっていた。
もう少し包括的かつ詳細がわかる公式な解説があるとよいのでしょうが、
1先にMMRになった方が進行リスクが低い
→スプリセル(ダサチニブ)の方がより強い(dirtier)ので早くMMRになる確率が高い
→だからグリベック・タシグナじゃなくてスプリセル飲もう!
みたいな3段論法になってグリベックのサイトから消えたのではないかと穿って考えてしまいましたが、スプリセルのページにも特にIRIS試験結果について記載はなさそうだったので、単に両社ともリスクを嫌って情報開示をしていないだけのような気もしますが。
http://www.sprycel.jp/top.html
1先にMMRになった方が進行リスクが低い
→スプリセル(ダサチニブ)の方がより強い(dirtier)ので早くMMRになる確率が高い
→だからグリベック・タシグナじゃなくてスプリセル飲もう!
みたいな3段論法になってグリベックのサイトから消えたのではないかと穿って考えてしまいましたが、スプリセルのページにも特にIRIS試験結果について記載はなさそうだったので、単に両社ともリスクを嫌って情報開示をしていないだけのような気もしますが。
http://www.sprycel.jp/top.html
以下、日経メディカルより転記(記事がなくなった時のために)
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/gakkai/asco2006/200606/500592.html
学会ダイジェスト:第42回米国臨床腫瘍学会・年次集会
2006年6月2日~6日 Atlanta U.S.A.2006. 6. 5
ASCO2006で世界中が待ち望んだIRIS試験の5年成績がついに発表
移行期や急性転化期に進展してもおかしくない時期なのに、患者の多くは慢性期に留まって生存を続けている
水田 吉彦=医学ライター
B.J. Drucker氏
本学会で恒例のIRIS試験の最新結果が、6月3日のオーラルセッションで報告された。慢性期の慢性骨髄性白血病(CML)初発患者に対するイマチニブ治療の驚くべき長期成績がいったい何年続くのか。満員となった会場の熱気に包まれて、米国オレゴンHealth&Science大学のBeverly J.Druker氏が発表を行った。
今から5年前にIRIS試験はスタートした。当時の既存療法であったインターフェロンα+Ara-C併用と、同じく当時の新規療法であったイマチニブ400mgを比較する目的で開始された、無作為比較の第3相臨床試験である。試験開始早々、インターフェロンα+Ara-C群をはるかに凌ぐ著しい有効性がイマチニブ群にて示され、その後はイマチニブ群での長期予後成績に世界中の関心が移っていった。
5年が経過した現在、イマチニブ群には382例が残っており、治療継続率は69%であった。5年間の全生存率は89%であり、CML関連死は5%未満と報告された。「これは過去すべての治療法と比べて、最も優れた成績と言えるだろう」(Druker氏)。
今回、Druker氏が強調したキーポイントのひとつが、“Late responses”であった。細胞遺伝学的完全寛解(CCR)の累積達成率が未だ頭打ちにならず、伸び続けているのである。その経過は、治療開始12カ月目で69%、24カ月目で80%、36カ月目で84%、そして60カ月目では87%に達していた。5年が経過してなおCCR達成率が向上している薬剤はイマチニブが初であろう。
一方、増悪リスクは治療継続に伴って漸減し、試験開始時には2%前後あった移行期/急性転化期への進行率が、現在では0.6%にまで低下した。そうしたことから、多くの患者が慢性期を維持しつつ、生存を続けている。
特記すべきことに、治療開始18カ月時点で3 log以上の寛解深度に至った139例では、今日までに移行期/急性転化期へ進行したケースが1例も無く、全例が慢性期に留まっていた。
以上の成績を踏まえて、Druker氏は力強く語った。「イマチニブ登場前の過去の概念からすれば、5年という歳月を経て、患者の多くが移行期/急性転化期へ進行してもおかしくはなかった。それを思い返すことで、改めてイマチニブの価値を実感できるだろう。IRIS試験の5年成績をみる限り、慢性期CML初発患者の第1選択薬は、間違いなくイマチニブであろう」。