2014年7月7日

論文紹介:CMLドラッグオフ(休薬)治験結果@フランスの最新情報(2013年末時点)

フランスにおけるCML(慢性骨髄性白血病)に関するドラッグオフ(therapy discontinuation (STOP) studies;休薬)の治験結果を要約しました。薬を止めても、4割(5年)から6割(2年超)の患者がPCRネガティブを維持できているようですし、ぶり返したとしてもMMRにすぐに戻れることが確認できてきているようです。休薬に関して、日本でも同様の治験結果が早期に報告されることを待っております。

ワタクシも2012年8月のマルクでCMRが確認できているから、2回連続PCRネガティブというCMRの定義上、2012年4月からPCRネガティブなのでもう2年以上PCRネガティブを維持という条件を満たしているはず(この7月の検査で引っかからない前提)です。

STIM1 study
  • Imatinibで少なくとも2年以上PCRネガティブを維持できている100名の患者を対象にドラッグオフ(休薬)を実施
  • 以下の条件で再発(reccurrance)とみなされる:(1)2回連続の検査(当初1年は毎月、2年目以降は2か月ごと)における1ログ以上のBCR-ABL増加、あるいは(2)MMR(PCRでのBCR-ABLが0.1%未満)の消失
  • 39%の患者がドラッグオフ(休薬)開始から60か月(5年)後にもPCRネガティブを継続
  • 61%のぶり返し(relapses)患者のうち、殆ど当初6か月以内で2年以降のぶり返しはなし
  • Sokal risk score(診断時の年齢、脾臓の大きさ、血小板数など)によってぶり返しの確率が変わり、低いリスクスコアでは47%だったのに対し高いリスクスコアでは73%がぶり返し
A-STIM study
  • STIM1と同様の81名の患者を対象にドラッグオフ(休薬)を実施
  • MMRの消失の場合にのみ治療を再開(=低いレベルでのPCRポジティブを無視)
  • 61%が、休薬から31か月後(約2年半、中央値)にも治療なしでMMRを維持(うち45%がPCRネガティブ、24%が時たまPCRポジティブ、残り31%が2回以上連続の検出あり)
  • ぶり返した患者もすべてがMMRを回復(1名の患者のみがImatinibでは病状が進行、Second lineに切り替え?)
STIM2 study
  • 少なくとも2年以上PCRネガティブを維持できている127名の患者を対象にドラッグオフ(休薬)を実施
  • 59%の患者が、休薬から少なくとも2年以上経った時点でPCRネガティブを維持
  • そのうち53%と半数以上が、時折の短い期間、MR4.5=100万分の32と極めて低い水準での時折のPCRポジティブを検出=非常に低レベルでのPCR検出が、ただちにCMLのぶり返しや進行につながるものではないと結論
  • 41%のぶり返しのうち、92%は治療停止から当初4か月にぶり返し、残り8%も9か月目までにぶり返し

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