2011年12月5日

「2011/12/4 つばさ支援基金報告セミナー」のメモ(前半のみ)


前半部分のみ(=支援基金への申し込み状況と対象3疾患の概要)参加してきました。

CMLについては既知の内容でしたが、MDSとGISTについては全く知らなかったので勉強になりました。先生方、分かりやすいプレゼンをありがとうございます。後半の患者からの声、医療費問題についてもWeb上で簡易の報告があるとありがたいのですが。。。

■第三期になってからの申し込み状況(日本臨床研究支援ユニット 大西さん)
・生活保護など非課税の方は対象外で、一定以上の所得があり、第三期からは一方で子供の人数を換算して生活状況を加味
・問い合わせへの対応コールセンターをNPO日本臨床研究支援ユニットが受付
・累計で838件の架電中で、宮城・鳥取の二県からはいまだゼロ
・平均すると毎月十件程度の申請申し込み(継続含む)、累計125件を審議
・助成件数は95件で全てCML、MDSとGISTはこれから

■MDS 骨髄異形成症候群(荏原病院 秋山秀樹先生)
・MDSによる骨髄の機能低下に対し、赤血球は輸血ができるが白血球はできない。血小板は一時的な輸血は行われることはあるが実際には継続困難
・一定の比率で「白血病」化とでもいうべき病状進行になる
・最近まで有効な寛解維持の薬がなく、唯一の治療法は骨髄移植のみ
・IPSS、国際予後分類によるリスク度合いにより、2年程度から10年まで死亡に至る時間が異なるので正しい分類が必要
・ハイリスクの人達は移植によるメリットを受けるが、ローリスクのひとは移植によるデメリットが大きい
・2010、11年年になってレナリドミド(レブラミド)、注射用アザシチジン(ビダーザ)という新薬が承認され、長期寛解維持の可能性が出てくるが新薬は非常に高く薬価ベースで月に100万円程度!かかる

■GIST、消化管間質腫瘍(大阪警察病院 西田俊朗先生)
・GISTとは骨肉腫の親戚、内側の筋肉層にできるのがGIST。ちなみに癌とは粘膜細胞や粘膜下層などの表面細胞の変異
・発生頻度は年間で10万人に1-2人と少ない。ただし、60代の胃の十人に1人は芽があるらしい
・粘膜下腫瘍は偶然に見つかり、表面が粘膜で覆われているため潰瘍等にならなければ自覚症状はほとんどない。気づいたら肝臓転移や腹膜播種ということも。術後三年は三割が再発で長期には四割程度が再発
・術後の再発防止にキナーゼ阻害剤としてイマチニブ。効果は遺伝子変異によるので注意が必要。但し、飲んでもGIST細胞は根絶されないので血中濃度を保ってきちんと飲み続ける必要。
・イマチニブ(グリベック)も二年経ったら四割が効かなくなる。セカンドラインはスニチニブ(スーテント)だがより『抗がん剤』らしいといってはあれだが副作用が大きい
・現在開発が進んでいる新薬(名称聞き漏らし)はグローバル・フェーズ3(大規模な患者の服用によるエビデンスの確立)の段階まで進んでおり、フェーズ2(少数患者の服用による効果・安全性確認)は想定よりも大幅にポジティブな結果

ここまでで別件があり途中退出しましたが、色々考えることができました。特に事業的に考えたキー・クエスチョンは2つです。この2つに対する仮の答えを出したいですね。
1・ビジネスの問題、すなわち付加価値を付けて対価を取りに行くか、再分配の問題、すなわち非営利でコスト回収、どちらを目指すべきか
2・薬価が高すぎる、、、希少疾患はすべてこのようなエコノミクスでないと成立しないのか、既存Pharmacoへのアタッカーとして参入できないか

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