肺がん治療薬イレッサ(一般名・ゲフィチニブ)の副作用を巡る訴訟の控訴審判決で、東京高裁が1審判決を覆して国と企業の賠償責任を否定しました。リンク先の医療ガバナンス学会が導入経緯とその訴訟に至る構造を解説しておりわかりやすかったです。
知り合いの医者に聞いたところ、この薬は手術もできない患者に対して効いてどんどんがんが小さくなった、ということがあるらしいので、やはり使い所の問題なのかなと思っています。
この文章では「プロ意識に欠如した医師によるエビデンスに従わない安易な過剰投与」と結論付けられていますが、患者としては「効くかもしれない」のならば薬効外(イレッサの場合は乳がんやすい臓がん)でも自由診療でお金を相当払っても試してみたい、という気持ちは分かりますし、自分が医者、患者どちらの立場になったときにも100%否定できるとはとても思えません。悩むとは思います。
しかしながら分野別に発展を重ねた現代医療においては、目の前の医者が全てをわかっていて白紙委任ですべて委ねても大丈夫ということは残念ながら医者もスーパーマンではないのであり得なく(たまたま担当になった場合や希少疾患の場合は特に)、きちんとした事前説明はあったのだろうと思いますが、そのような切羽詰まった段階ではなく、少なくともリスク(副作用)のないリターン(効果)はない、ということだけでも義務教育のどこかできちんと周知徹底するべきかなと思います。
あと、中立を謳うマスメディアこそ、得意の両論併記をこういうエビデンスベースな科学的な分野にこそ保持して欲しいところです。
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