2012年1月27日

北大、慢性骨髄性白血病細胞の細胞増殖や腫瘍形成メカニズムを解明(毎日新聞)

後で理解します。ソースはマイナビのみで他のメディアは追従していないようですが。

北大、慢性骨髄性白血病細胞の細胞増殖や腫瘍形成メカニズムを解明

デイビー日高 [2012/01/11]
北海道大学(北大)は、慢性骨髄性白血病細胞の新たな細胞増殖、腫瘍形成メカニズムを解明したと発表した。研究成果は、がん分野の雑誌として知られる「Oncogene」に1月9日に掲載された。
細胞の増殖分化は種々の信号分子の緻密な相互作用のもとに成り立っており、そのメカニズムの異常は、細胞のがん化につながることが知られている。血液がんである「慢性骨髄性白血病」(Chronic myelogenous leukemia:CML)では、遺伝子の変化による異常な白血病細胞の増殖によって病気が起こる。この病気の原因は、第9番と第22番染色体の相互転座t(9;22)により生じた「フィラデルフィア」(Ph)染色体にある。
Ph染色体上で、もともと9番染色体長腕上に存在した「ABL」遺伝子が、22番染色体上の「BCR」遺伝子の下流に連結されて「BCR-ABL」融合遺伝子が形成され、CML細胞に特異的な「BCR-ABL」融合タンパク質が作られてしまう。
そして、BCR-ABL融合タンパク質は、恒常的に強い「チロシンキナーゼ酵素活性」を有し、白血病細胞の増殖を促進するとともに、白血病細胞のアポトーシスと呼ばれる細胞死にも抑制的に働く仕組みを持つ。
CML患者に対する抗がん剤としてBCR-ABLチロシンキナーゼ酵素活性阻害剤「イマチニブ」が知られているが、イマチニブ治療を少なくとも2年間以上継続できた患者においても、イマチニブの服用を中止後1年以内に約60%の確率で再発が認められることが報告されており、より有効な抗がん剤の開発が待たれているという状況だ。
研究グループでは、細胞内シグナル伝達においてキナーゼなどの酵素群や転写因子の活性化を制御するアダプター分子の1つである「STAP-2」の働きについての研究を行ってきたが、今回の研究ではシグナル伝達系において重要なSTAP-2タンパク質がCMLの本体であるBCR-ABL融合タンパク質と相互作用し、CML細胞においてどのように働くかの検討を行った。
そして、STAP-2タンパク質の働きを証明するため、STAP-2タンパク質と相互作用するタンパク質の遺伝子を網羅的に解析した結果、STAP-2タンパク質とBCR-ABL融合タンパク質が相互作用することが判明。続いて、STAP-2タンパク質がBCR-ABL融合タンパク質にどのように働くかが検討された。
BCR-ABL融合タンパク質を発現したマウスプロB細胞株では自律的な細胞増殖能が認められ、免疫不全マウスへの皮下移植により腫瘍形成が観察されるが、このBCR-ABL発現細胞にSTAP-2タンパク質を追加して発現させることによって、細胞増殖能の増強や免疫不全マウスでの腫瘍形成の促進が観察された。
また、このようなSTAP-2タンパク質を発現させた細胞ではBCR-ABL融合タンパク質の恒常的活性化が亢進し、その下流の標的遺伝子発現などが増強されることも確認。さらに、ヒト慢性骨髄性白血病株「K562」でSTAP-2遺伝子発現を低下させることにより、腫瘍形成が阻害されることも判明した。つまり、BCR-ABLとSTAP-2の結合を阻害することで、白血病化を抑制できる可能性があるということだ。
研究グループでは、以上の結果から、STAP-2タンパク質はCML患者のための新しい抗がん剤開発の重要な標的であり、さらにSTAP-2発現が個々のCML患者の予後因子となり得るとしている。また、STAP-2タンパク質を標的とした分子標的治療薬は既存のCML治療薬との併用により、CML治癒を目指す有力な武器になり得るともコメントしている。
CMLが発生する仕組み。STAP-2が、CMLを引き起こすBCR-ABL融合タンパク質と結合しないように阻害しないようにできれば、新しい抗がん剤となる可能性がある

CMLのメカニズム発見者、イマニチブの開発者が国際科学技術財団の日本国際賞を受賞(サイエンスポータル)

CMLの原因となっているbcr-abl組み換えメカニズムを発見した方、イマニチブ(グリベック)を開発した方々が国際科学技術財団の日本国際賞を受賞したそうです。ノーベル賞前につばを付けておくんでしょうか?いずれにせよ好ましいことです。これでもうちっと社会的(メディア的)注目が集まらないかな・・・


以下ソースのサイエンスポータルより貼り付け。

【 2012年1月25日 ネオジム磁石開発の佐川眞人氏らに日本国際賞 】

国際科学技術財団は25日、今年の日本国際賞を、世界最高性能の永久磁石「ネオジム磁石」の開発者で、モーターの大幅な省エネを実現した佐川眞人氏と、分子標的治療薬開発の道を開き、白血病治療などを可能にした米国の3氏に贈ると発表した。

「環境、エネルギー、社会基盤分野」の受賞者、佐川氏は、1982年それまで最も高性能の永久磁石だったサマリウム・コバルト系磁石の約2倍も強力なネオジウム・鉄・ホウ素系磁石(ネオジム磁石)の組成を発見した。その後、さまざまな技術的工夫を加え、これ以上の永久磁石材料は今後、簡単には見つからないだろうといわれる製品にまで高めた。

ネオジウム磁石を用いたモーターは小型軽量で高性能のため、コンピュータ用ハードディスクからエアコン、冷蔵庫、工作機械、風力発電機、ハイブリッドカー、電気自動車など幅広く使われており、大幅な電力使用量の低減に貢献したことも授賞理由となっている。佐川氏は88年に設立したインターメタリック社の社長として、ネオジウム磁石のさらなる高性能化、汎用化に取り組んでいる。

「健康医療分野」の受賞者の1人、ジャネット・ラウリー・シカゴ大学特別教授は、慢性骨髄性白血病患者の白血球で9番染色体と22番染色体が組み換えを起こしていることを発見した。この発見を基に染色体の組み換えの結果できた特殊な酵素が、慢性骨髄性白血病の原因であることが明らかになった。他の2人の受賞者であるブライアン・ドラッカー・オレゴン健康科学大学教授とニコラス・ライドン・ブループリントメディスン社取締役は、この特殊な酵素の働きを抑える化合物「イマチニブ」を発見した。

イマチニブは、現在、慢性骨髄性白血病をはじめ10種類のがんの治療薬として使われている。ドラッカー、ライドン両氏が切り開いた、がんに特有な分子に働いてがん細胞の増殖や転移を抑える薬を開発する手法は、分子標的と呼ばれ、その後のがん治療薬開発のモデルとして医療技術分野に大きく貢献している。
佐川 眞人 氏ジャネット・ラウリー 氏ブライアン・ドラッカー 氏ニコラス・ライドン 氏
佐川 眞人 氏ジャネット・ラウリー 氏ブライアン・ドラッカー 氏ニコラス・ライドン 氏
(提供:国際科学技術財団)

2012年1月11日

血球数グラフをGoogle Docベースに変更

血球数グラフをGoogle Docベースにしてみました。これだと表示期間を自由に調整できて面白いですね。

白血球数の推移

赤血球数の推移

血小板数の推移

2012年1月9日

「2012/1/9 造血幹細胞移植研究 公開シンポジウム」の備忘録

造血幹細胞移植研究 公開シンポジウムを聴講して来ました。学会発表の抜粋のようんで手元資料がなく、理解が追いつかなかった点が結構ありましたが、ポイントだけでもメモしておきました。末梢血幹細胞移植についてかなりイメージが湧きましたが、一方で、昨年3月に本邦移植一号という点にも驚きました。

日時 2012年1月9日 3-5pm
場所 東京医科歯科大 湯島キャンパス

■厚生労働省 健康局 疾病対策課 臓器移植対策室 狭間
・とくに内容なし

■最近の移植傾向 名古屋大学 熱田由子
造血幹細胞移植とは難治性の血液悪性腫瘍の根治を目的に造血幹細胞を移植する再生医療の先駆け。造血幹細胞は骨髄だけでなく臍帯血、抹消血からも
・1974年から日本では移植開始、八十年代に免疫抑制剤の進化でドナーがレシピエントの白血病細胞を攻撃するGVL反応により予後が改善することがわかり、化学療法との組み合わせが進む
・直近でのおよその年間件数は自家移植が1500、同種移植が3000。同種移植のうち血縁者間は1000、非血縁者が2000。これは血縁で完全一致確率が1/3なので適正数
・また、同種移植のうち臍帯血移植は1000件でこれはヨーロッパ全土と同水準の多さ
・日本造血幹細胞移植学会の報告書で施設別移植件数を開示(年別報告書はコチラ、データの見方はコチラ

■新しい移植法 関西医科大学 池原進
・骨髄には造血幹細胞、間葉系幹細胞の二種類がある
骨髄移植では血液疾患や免疫不全のみならずリウマチなどの自己免疫疾患にも効果がある
・現在の骨髄移植の問題点は、移植片対宿主反応(GVHD)と生着不全(=拒否反応)の二つ
・GVHDを防ぐには、移植時に抹消血とその中にはいるリンパ球混入するのを防ぐ灌流法従来の腸骨に百本近い穿刺針を指して取らずに点滴ではない骨髄内骨髄移植
・生着不全を防ぐには、間葉系幹細胞も合わせて移植することで造血幹細胞も守られる
・現在、骨髄内骨髄移植のフェーズワンの研究中

■非血縁ドナーを選択するときのポイント 愛知県がんセンター 森島泰雄
ドナーのレシピエントの免疫担当細胞が正常細胞を攻撃するのがGVHDでこちらは抑えたい、一方で、白血病細胞を攻撃するのがGVL反応でこちらは望ましい
・HLA型の一部不適合の場合に、どのHLA型のミスマッチが悪い効果をもたらすかを解析し、HLA-CのミスマッチがGVHD重症化と死亡率悪化をもたらすためドナー選択順位のプロトコルに反映。なお、HLA不適合が多い場合はHLA不適合でもGVHDが少ない臍帯血移植を検討する
・さい帯血移植結果のデータベースが不完全で、不適合が多い場合の非血縁ドナーからの骨髄移植との比較(どちらの予後がより良好か)は今後の課題
・日本人間では不適合のあるドナーからの移植でも、白人間における同じ移植よりもなぜか予後がよい、原因は今後の研究課題

■非血縁の抹消血幹細胞移植と骨髄移植の違い 名古屋第一日赤病院 宮村耕一
・BMH:骨髄からの採取では、五十回から百回の穿刺をドナーに行い、一回十ミリリットルを採取
・PBSCT:抹消血からの採取では、G-CSFを打って抹消血内に造血幹細胞やリンパ球に増やし、高齢者へのミニ移植や骨髄繊維症には有用
・G-CSF投与後一ヶ月以内に重篤な副作用が起きたのは、海外では死亡事例もあるものの国内移植プロトコルではそもそもドナーとできない事例も多く、国内では3200件のうち20件程度で回復不能なものはなし。
事例をもとにコレステロール値と血圧からのPBSCTプロトコロルを作成。骨髄バンク基準を当てはめると女性はリスク0.5%未満、男性はコレステロール値により0.5%未満ないし1%未満のリスクにとどまる
・慢性GVHDの発生割合は、抹消血移植の方が10pp以上も多いのは事実ので対応策が今後の課題。ただし、昨年三月に非血縁者間の抹消血幹細胞移植が本邦はじめて実現したばかり
・国内において、ドナー選定から採取まで75日までかかっているのは施設側のキャパシティ問題もあり、PBSCTも増えれば短期化できるのではないか。現在は国内にPBSCT認定施設が35あるが、他先進国では使えるECP導入などの課題もまだ大きい

■ATL特命チームができて進んだ点 九州がんセンター 鴻池直邦
・ATLとは成人T細胞白血病で、HTLV-1によって起き、地域差が多い
(HTLV-1キャリアは日本に100万人以上、キャリアの生涯発症率は2-6%とのこと(Wikipedia))
・化学療法では治らず、十年でほぼ亡くなってしまう。長期生存率は4.7パーセント
・通常の移植では予後が悪い結果が出ており、ミニ移植の可能性を研究している。現状では一期と二期研究ではミニ移植後に五年で34%生存であり決して満足のいく結果ではないが、三年目以降は生存曲線がフラットになっているため完治して社会復帰できているケースが出ている
・免疫療法の開発、抗CCR抗体4といった新たな治療法もでてきている

■移植領域で使える治療薬を増やし、移植後のQOLを高めるには 国立がん研究センター中央病院 福田隆浩
・移植関連死亡は2-3割あるが、ウイルス感染対策薬と免疫抑制薬の海外で使えるものの殆どが、国内で未承認ないし適応がないという課題
・医師が主導する治験という制度もできたが、造血幹細胞移植自体年間三千件ではオーファン扱いであり、医学薬学上公知から公知申請というアプローチが現実的
・医学薬学上公知となるには、海外でのエビデンスと国内のエビデンスが必要。海外では保険未承認ながら移植時には保険で弾力的に運用して使われている場合も多くデータを個別薬ごとに集めないといけない。国内エビデンスでは、臓器移植適応などがある場合は日本人のエビデンスを蓄積しやすい
・「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の設置により検討が進んだが、海外未承認薬についてはエビデンス不足扱いになりやすいという課題は残っている
移植後のQOL低下を補正しても移植の方が期待生存率が高いという統計解析は移植を推進する根拠になるが、QOL指標の重み付けを(死亡をゼロ、健康な生存を1とするときに、GVHDあり生存をどう数値評価するか、など)医者ではなく患者が評価するように急性白血病について研究を開始

2012年1月7日

無印良品 つなげて使えるピルケース 7連結タイプ

どうも飲み忘れをしそうなので、ドラッグケースを変更しました。

無印良品で見つけた新しいケースは210円とお安く、毎日が仕切られています。
横幅が15センチくらいとちょっと場所を取りますが、これならグリベックを
日曜日夜に1週間分入れて毎日飲んでいるかを確認できます。

PPつなげて使えるピルケース


なお、前の見た目がかっこ良かったドラッグケースは勉強時の耳栓入れに変更です。